
卒FIT後に蓄電池を導入するデメリットは?余剰電力の売電方法も解説!
- 卒FITとは?
- 卒FIT後の選択肢は?
- 選択肢1:売電先は変えずに電力買取(売電)を継続する
- 選択肢2:売電先を変更して電力買取(売電)を継続する
- 選択肢3:蓄電池を活用して自家消費する
- 卒FIT後の買取価格はどうなる?
- 卒FIT後に蓄電池を導入するメリット
- 夜間や雨天時に利用できる
- 電力会社から購入する電気料金が削減できる
- 災害時、停電時にも生活に必要な電気をまかなうことができる
- 卒FIT後に蓄電池を導入するデメリット
- 導入時に費用がかかる
- 交換・メンテナンス費用がかかる
- 設置スペースが必要
- 卒FIT後に導入する蓄電池の選び方
- 太陽光発電設備に対応しているものを選択する
- 用途に合った蓄電池を選択する
- 卒FIT後に蓄電池を後付けするときに必要なことは?
- ユーザーからのよくある質問
- まとめ
卒FITとは?
卒FITとは、太陽光発電設備によって生み出された再生可能エネルギーの「固定価格買取制度(FIT制度)」の適用期間が終了することを指します。国内の再生可能エネルギーの普及と、電力市場の成長を目的として2009年に導入され、10kW未満の住宅用太陽光発電設備では10年間、発電された電力が固定価格で電力会社に買い取られる仕組みです。
卒FIT後の選択肢は?
卒FIT後は、固定価格で買取されていた再生可能エネルギー(太陽光)も価格が下落するため、売電収入が大きく下がってしまいます。そこで、卒FIT後には以下のような選択肢があります。
選択肢1:売電先は変えずに電力買取(売電)を継続する
卒FIT後も、売電先を変更せずに売電を継続することは可能ですが、卒FIT後の売電価格は大きく下がる傾向にあります。大手電力会社の卒FIT後の売電価格は7~9円/kWhであり、半分もしくは半分以下の買取価格となっています。電気代や物価上昇が著しい家計の状況を考えると、そのまま売電を継続するという選択肢はあまり得策ではありません。
選択肢2:売電先を変更して電力買取(売電)を継続する
卒FIT後のメリットの1つ、「売電先の変更」を活用することも選択肢として挙げられます。卒FIT後は、様々な会社と自由に契約することが可能になるため、売電価格を重視して売電先を検討することができます。売電収入を少しでも高くしたい方にとってはおすすめの選択肢といえるでしょう。
選択肢3:蓄電池を活用して自家消費する
自家発電した電力を売電するだけでなく、蓄電池を活用して自家消費する方法もあります。日中に発電しながら蓄電池に電力を溜め、夜に効率的に電力を使用することができたり、停電時や災害時の備えとしても活用することができるため、近年注目されています。
卒FITはいつから始まる?具体的な時期とその後の選択肢も含めて解説
卒FIT後の買取価格はどうなる?
卒FIT後に余剰電力を売電する場合、FIT期間中に適用されていた固定買取価格が適用されなくなるため、大幅に売電価格が下がります。
実際、2025年度7月時点でのFIT期間の売電価格は15円/kWh(※1)に対し、例えば東京電力へ売電する場合の売電価格は8.5円/kWh(※2)、関西電力の場合は8.0円/kWh(※3)であり、およそ売電価格が半分程度になってしまうことがわかります。
(※1)出典元:買取価格・期間等|経済産業省 資源エネルギー庁
(※2)出典元:再エネ買取標準プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社
(※3)出典元:買取期間が終了する太陽光発電の取り扱いについて|関西電力株式会社

卒FIT後に蓄電池を導入するメリット
卒FIT後に蓄電池を導入するメリットは、以下の3つが挙げられます。
夜間や雨天時に利用できる
太陽光発電が可能な時間帯は主に太陽が出ている日中です。太陽光発電でつくられた電気は、そのままだと貯めることができないので蓄電池を導入していない場合、夜間や雨天時は電力会社から電気を購入するしかありません。
一方、蓄電池を導入した場合、自家消費した残りの余剰電力は蓄電池に貯めることができるので、太陽光で発電できない夜間や早朝などの時間帯や発電量の少ない雨天時に自家消費することが可能になります。
電力会社から購入する電気料金が削減できる
夜間や早朝に利用できるメリットと併せて、その時間帯には電力会社から電力を購入せずに蓄電池に貯めた電力を使用でき、電気代の削減が期待できます。さらには、容量の大きな蓄電池を導入することで、自家消費分と蓄電の両方に利用できるほか、余剰電力を売電に回すなど、柔軟な電力利用が可能になります。
災害時、停電時にも生活に必要な電気をまかなうことができる
災害時などに停電が発生した場合、太陽光発電の自動運転モードでは、最大1,500Wまで電気を使用することができますが、雨天や曇天の場合は発電量が減少するうえ、発電が可能な日中の時間帯しか電気を使用することができません。
しかし、蓄電池を導入することで、日中には太陽光発電システムで発電しつつ、自家消費した残りの余剰電力は蓄電池に貯めることができます。停電した状態で夜を迎えても、蓄電池に貯めた電力を使用することが可能なため、時間帯を問わず生活に必要な電気をまかなうことができます。
卒FIT後に蓄電池を導入するデメリット
デメリットは、以下の3つが挙げられます。
導入時に費用がかかる
家庭用蓄電池を導入する場合、その価格は種類や容量によって異なりますが、導入するためには工事費用込みで100万円〜250万円程度かかるとされています(2025年7月時点)。蓄電池の普及が進むにつれて価格は徐々に下がると予想されますが、現状でも100万円以上はかかるので、大きな出費となることは間違いありません。
対応策として、国や各自治体で行っている補助金制度を組み合わせて利用するなど、購入負担金を軽減する方法もあります。東京都(※4)では令和7年度事業として、太陽光住宅の普及拡大を促進するための高断熱窓・ドアへの改修、蓄電池、太陽光発電設備等の設置などに対して補助を行っています。ただし事前申し込みが必要となり、申し込み期限や各種条件などがあるので注意が必要です。
(※4)出典:災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業|家庭における対策|東京都環境局
蓄電池の導入には、補助金制度を活用することがおすすめ!
①DR補助金 経済産業省や環境省から補助金事業を受託している、一般社団法人環境共創イニシアチブ(sii)が主導している補助金。令和7年度分は想定を上回る需要となり、わずか2ヶ月で予算満了となっています。補助額は最大60万円で、補助率は3分の1以内、補助対象は蓄電システム機器代、工事費・据付費となっています。 |
②各自治体の補助金 太陽光発電や蓄電池の導入に対して、各自治体からも補助金が交付されています。国や都道府県・市区町村の補助金は併用できるものが多いため、補助金を活用しながら蓄電池を低価格で購入するようにしましょう。 |
交換・メンテナンス費用がかかる
蓄電池は交換する際にも費用がかかります。一般的に蓄電池の耐用年数は10年〜15年が目安といわれていますが、あくまでも目安なのでそれ以上持つ可能性もあります。しかし他のバッテリー同様、充放電が繰り返され上限を超えたときなど、耐用年数より早く交換時期が来る可能性もあります。このほか経年劣化や故障、蓄電量の低下など、蓄電池を交換するタイミングは様々です。保証期間内に故障した場合であれば、無償交換となるケースもありますが、保証期間を超えた場合の買い替えには導入時と同様の費用(100〜250万円)が必要になることは考慮しておきましょう。
設置スペースが必要
蓄電池を導入する場合、設置スペースも考慮しなければなりません。使用するメーカーによっても異なりますが、以下のような条件が必要とされています。
- 直射日光が当たらない
- 高温多湿の場所(水回り)ではない
- 塩害地域に該当していない
- 積雪地域や寒冷地ではない
- メンテナンスを行うスペースを確保できる
卒FIT後に導入する蓄電池の選び方
卒FIT後に蓄電池を導入するうえで、前述したメリット・デメリットをもとに、各家庭に合った蓄電池を選択することが重要です。卒FIT後に導入する蓄電池の選び方を2つ紹介します。
太陽光発電設備に対応しているものを選択する
すべての蓄電池がすべての太陽光発電設備に合うということではないため、蓄電池を導入する際は、ご家庭の太陽光発電設備との相性を事前に確認しましょう。太陽光発電設備と蓄電池の相性が悪いと発電効率が低下し、蓄電池導入による節約効果が期待できない可能性があります。また、太陽光発電設備メーカーが指定する蓄電池以外の製品を使用すると、保証対象外となってしまう場合もあるため、注意が必要です。
蓄電池購入の前に、ご家庭の「太陽光発電設備との適合性や互換性」、「保証対象外の条件」は予めチェックしておきましょう。
用途に合った蓄電池を選択する
蓄電池には多くの選択肢があり、用途に合った製品を選択することが重要です。変換方式や蓄電容量、停電時に電気がどこまで供給できるか、そして生活スタイルや既存の設備の状況、そして予算(コスト)も関わってくるため、様々な要素を考慮しながら蓄電池を選択するようにしましょう。
卒FIT後に蓄電池を後付けするときに必要なことは?
FIT制度の適用期間中に蓄電池を後付けで導入する場合、「自家発電設備等の変更」に該当するため、経済産業省による変更認定が必要でした。2019年8月2日の関係法令の改正後は「FIT買取期間終了後から廃止届出が受理されるまでの間」に蓄電池の設置を行う場合、変更認定を受ける必要はなくなり、比較的軽微な変更に該当するとみなされ「事前変更届出」の提出のみとなりました。資源エネルギー庁が運営する「再生可能エネルギー電子申請サイト」にて申請可能です。
ユーザーからのよくある質問
卒FITを迎えたので売電先を変更したいのですが、どのように会社を探せばよいでしょうか?
卒FIT後の売電先(電力会社)は主にweb検索が主流となっています。
買取方法については、一般的な「①固定単価電力買取」と「②市場連動型電力買取」の2種類があります。
「固定単価電力買取」ではその名の通り、常に固定単価で電力買取される仕組みです。
当社サービスのエネまかせでは、日本でも数少ない日本卸電力取引所(JEPX)に連動した市場連動型電力買取を採用しています。JEPXの取引額が買取額に反映されるので、固定単価電力買取と比較すると高収益が見込める可能性があります。
※ただし、電力市場は電力を取り巻く様々な要因の影響を受けるため、高収益を必ずお約束するものではございません。お申し込みの際は、JEPXのスポット取引相場およびその他要因の影響を十分ご検討のうえお申し込みください。
固定価格買取制度(FIT)適用期間中に売電先を変更することは可能でしょうか?
原則、FIT適用期間中は契約中の電力会社に売電する必要があるため、卒FIT期間を迎えない限り、当社を含め売電先を変更することはできません。
蓄電池の費用を抑えることはできるのでしょうか?
デメリットでも紹介したように、蓄電池を導入する場合はメーカーによっても異なりますが、工事費込みで100万円~250万円程度かかります。しかし、お住まいの地域の補助金制度などを活用することで、導入時の自己負担額を少なくすることも可能です。お住まいの地域の自治体サイトや役所などで一度相談してみると良いかもしれません。
まとめ
卒FIT後の固定買取単価は、FIT期間中と比較すると大幅に低くなってしまうこともあり、売電収入が見込めないため、蓄電池を導入して自家消費する場合が増えてきています。蓄電池を導入することで、電気代の削減や停電時でも電力の確保ができるといったメリットもある一方、導入費用が高額になるなどのデメリットも存在します。
蓄電池を導入しない場合でも、余剰電力を高く買い取ってくれる電力会社に売電先を変更するという方法もあります。キューエネスでんきの「エネまかせ」では、市場連動型電力買取だけでなく、ご家庭用電気料金プランや蓄電池運用サービスもご用意しております。