
卒FIT後に蓄電池を導入するメリット・デメリット|太陽光発電で余った電気のお得な買取方法も解説!
FIT制度(太陽光発電の買取制度)終了に伴って、蓄電池を導入する場合のメリット・デメリットを解説します。また、蓄電池を後付けする際の申請方法や、エネまかせだからこそ可能な電力のお得な買取方法に関する情報も紹介します。
- FIT制度とは?
- 卒FIT後に太陽光発電で発電した電力の買取価格は?
- 卒FIT後に蓄電池を導入するメリット
- 夜間や雨天時に利用できる
- 電力会社から購入する電気料金が削減できる
- 災害時、停電時にも生活に必要な電気をまかなうことができる
- 卒FIT後に蓄電池を導入するデメリット
- 導入時に費用がかかる
- 交換費用がかかる
- 設置スペースが必要
- 卒FIT後に蓄電池を後付けするときに必要なことは?
- 蓄電池導入だけでなく、お得な電力買取プランへの乗り換えもおすすめ!
- 卒FIT後の電力買取はエネまかせで
- まとめ
FIT制度とは?
FIT制度とは再生可能エネルギーの普及のために設けられた国の制度で、住宅用太陽光発電によって余った電気を電力会社が一定期間、固定価格で買い取るという仕組みです。従来のFIT制度では固定価格での買取期間は10年間とされ、その期間を終了したら売電価格がどうなるのか等、たびたび注目されてきました。ちなみに「卒FIT」とはFIT制度(固定価格買取制度)の契約期間が終了し、FIT制度から卒業するという意味の造語になります。
卒FIT後に太陽光発電で発電した電力の買取価格は?
卒FIT後に、自宅の太陽光発電システムで発電した電力を売電する場合、FIT期間中に適用されていた固定買取価格が適用されなくなるため、大幅に売電価格が下がります。
実際、2025年度4月時点でのFIT期間の売電価格は15円/kWh(※1)に対し、例えば東京電力へ売電する場合の売電価格は8.5円/kWh(※2)、関西電力の場合は8.0円/kWh(※3)であり、およそ売電価格が半分程度になってしまうことがわかります。
(※1)出典元:買取価格・期間等|経済産業省 資源エネルギー庁
(※2)出典元:再エネ買取標準プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社
(※3)出典元:買取期間が終了する太陽光発電の取り扱いについて|関西電力株式会社
卒FIT後に蓄電池を導入するメリット
卒FIT後は買取価格がおよそ半分程度に下がり、売電収入が少なくなってしまうため、自宅の太陽光発電システムで発電した際に使いきれなかった余剰電力を有効活用する手段として、家庭用蓄電池の導入が注目されています。
蓄電池を導入する場合のメリットは大きく以下の3つが挙げられます。
夜間や雨天時に利用できる
太陽光発電が可能な時間帯は主に太陽が出ている日中です。太陽光発電でつくられた電気は、そのままだと貯めることができないので蓄電池を導入していない場合、夜間や雨天時は電力会社から電気を購入するしかありません。
一方、蓄電池を導入した場合、自家消費した残りの余剰電力は蓄電池に貯めることができるので、太陽光で発電できない夜間や早朝などの時間帯や発電量の少ない雨天時に自家消費することが可能になります。
電力会社から購入する電気料金が削減できる
夜間や早朝に利用できるメリットと併せて、その時間帯には電力会社から電力を購入せずに蓄電池に貯めた電力を使用でき、電気代の削減が期待できます。さらには、容量の大きな蓄電池を導入することで、自家消費分と蓄電の両方に利用できるほか、余剰電力を売電に回すなど、柔軟な電力利用が可能になります。
災害時、停電時にも生活に必要な電気をまかなうことができる
災害時などに停電が発生した場合、太陽光発電の自動運転モードでは、最大1500Wまで電気を使用することができますが、雨天や曇天の場合は発電量が減少するうえ、発電が可能な日中の時間帯しか電気を使用することができません。
しかし、蓄電池を導入することで、日中には太陽光発電システムで発電しつつ、自家消費した残りの余剰電力は蓄電池に貯めることができます。停電した状態で夜を迎えても、蓄電池に貯めた電力を使用することが可能なため、時間帯を問わず生活に必要な電気をまかなうことができます。
卒FIT後に蓄電池を導入するデメリット
蓄電池を導入する場合のデメリットは、以下の3つが挙げられます。
導入時に費用がかかる
家庭用蓄電池を導入する場合、その価格は種類や容量によって異なりますが、導入するためには工事費用込みで100万円〜250万円程度かかるとされています(2025年時点)。蓄電池の普及が進むにつれて価格は徐々に下がると予想されますが、それでも数百万円程度かかるので、大きな出費となることは間違いありません。
対応策として、国や各自治体で行っている補助金制度を組み合わせて利用するなど、購入負担金を軽減する方法もあります。東京都では令和7年度事業として、太陽光住宅の普及拡大を促進するための高断熱窓・ドアへの改修、蓄電池、太陽光発電設備等の設置などに対して補助を行っています。ただし事前申し込みが必要となり、申し込み期限や各種条件などがあるので注意が必要です。
災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業|家庭における対策|東京都環境局
交換費用がかかる
蓄電池は交換する際にも費用がかかります。一般的に蓄電池の耐用年数は10年〜15年が目安といわれていますが、あくまでも目安なのでそれ以上持つ可能性もあります。しかし他のバッテリー同様、充放電が繰り返され上限を超えたときなど、耐用年数より早く交換時期が来る可能性もあります。このほか経年劣化や故障、蓄電量の低下など、蓄電池を交換するタイミングは様々です。
保証期間内に故障した場合であれば、無償交換となるケースもありますが、保証期間を超えた場合の買い替えには導入時と同様の費用(100〜250万円)が必要になることは考慮しておきましょう。
設置スペースが必要
蓄電池を導入する場合、設置スペースも考慮しなければなりません。使用するメーカーによっても異なりますが、以下のような条件が必要とされています。
- 直射日光が当たらない
- 高温多湿の場所(水回り)ではない
- 塩害地域に該当していない
- 積雪地域や寒冷地ではない
- メンテナンスを行うスペースを確保できる
卒FIT後に蓄電池を後付けするときに必要なことは?

FIT制度の適用期間中に蓄電池を後付けで導入する場合、「自家発電設備等の変更」に該当するため、経済産業省による変更認定が必要でした。2019年8月2日の関係法令の改正後は「FIT買取期間終了後から廃止届出が受理されるまでの間」に蓄電池の設置を行う場合、変更認定を受ける必要はなくなり、比較的軽微な変更に該当するとみなされ「事前変更届出」の提出のみとなりました。資源エネルギー庁が運営する「再生可能エネルギー電子申請サイト」にて申請可能です。
蓄電池導入だけでなく、お得な電力買取プランへの乗り換えもおすすめ!
蓄電池導入だけでなく、これまでと同様に電力会社へ余剰電力を買い取ってもらうことも継続することができます。その場合、FIT期間の買取価格よりも価格は大幅に下がりますが、それまで契約していた電力会社ではなく、買取先(売電先)を自由に選択できます。電力会社によって買取価格が異なるので、チェックしてみてください。
2025年2月|卒FIT買取価格ランキングはこれ!おすすめ買取プランをわかりやすく紹介
卒FIT後の電力買取はエネまかせで
卒FITプランには大きく2つのタイプがあります。1つは「固定買取型」といわれ、太陽光発電システムで発電された電力を決まった単価(固定単価)で買い取るプランです。買取価格は「1kWhあたり●●円」と固定になっています。
もう1つは「市場連動型」で、電力卸売市場「JEPX」の取引価格に連動して買い取るという仕組みです。
市場連動型プランを提供している電力会社は多くありませんが、キューエネスでんきの「エネまかせ」では、市場連動型の卒FIT向けの買取プランを用意しています。卒FIT買取価格ランキングでも高水準の買取価格となっているので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
卒FIT後の固定買取単価は、FIT期間中と比較すると大幅に低くなってしまうこともあり、売電収入が見込めないため、蓄電池を導入して自家消費する場合が増えてきています。蓄電池を導入することで、電気代の削減や停電時でも電力の確保ができるといったメリットもある一方、導入費用が高額になるなどのデメリットも存在します。
蓄電池を導入しない場合でも、余剰電力を高く買い取ってくれる電力会社に売電先を変更するという方法もあります。キューエネスでんきの「エネまかせ」では、市場連動型電力買取だけでなく、ご家庭用電気料金プランや蓄電池運用サービスもご用意しております。お気軽にお問い合わせください。