
太陽光発電の買取制度はいつまで続く?10年・20年後に向けてわかりやすく解説
太陽光発電を設置して売電する場合、政府主導の買取制度である「固定単価買取制度(FIT制度)」を利用して、一定期間、安定的な価格で買い取ることが可能です。この期間はどれくらい続くのでしょうか?長期計画となるので、しっかりと考えておきたいところです。ここでは、お得に運用する方法も含めて、太陽光発電の買取制度の期間について解説していきます。
- 太陽光発電における固定単価買取制度とは?
- 10kW未満の太陽光パネルの場合、終了するのは10年後
- 10kW以上の太陽光パネルの場合、終了するのは20年後
- 買取期間終了後はどうすればいいの?
太陽光発電における固定単価買取制度とは?

固定価格買取制度(FIT制度)とは、政府によって太陽光発電など再生可能エネルギーの発電設備の普及を促進するために2009年からスタートした制度です。この制度では、再生可能エネルギー由来の電力の買取価格を国が保証してくれます。FIT制度での買取価格は、「1kWhあたり●●円」と価格が決まっていて、いつでも同じ価格で買い取ってくれるので安定的な収入を得られます。
FIT制度における買取期間には期限があり、太陽光発電の場合は、太陽光パネルの容量によって異なります。10kW未満の住宅用太陽光発電の買取期間は10年間、10kW以上の産業用太陽光発電の買取期間は20年間といった違いがあります。
10kW未満の太陽光パネルの場合、終了するのは10年後

家族4人のご家庭の場合、想定されるサイズの太陽光パネルは屋根などに配置されるタイプだと4kW~5kW程度です。この場合、FIT制度での買取は10年間となります。FIT制度適用期間だと年間どれくらいの売電収入を得られるのでしょうか?計算してみましょう。まず、5kWの太陽光パネルを1年間発電した場合の想定発電量は約6,000kWhです。FIT制度では、発電した電気の30%はご自宅で使うことが決められています。残りの70%を売電できるので、6,000kWh x 70%は4,200kWhです。FIT制度の2024年度の単価は「16円/kWh」なので、1年で4,200kWhの電気を売電すると、67,200円の売電収入となります(4,200kWh x 16円/kWh)。
一般のご家庭の場合、10年間の固定価格での買取期間が終了すると、そのまま契約している電力会社に売電することができます。ただし、契約を継続した場合、売電価格が7円~9円/kWh(2024年6月現在、当社調べ)まで下がってしまいます。FIT制度が終わったらどうすればいいでしょうか?下で説明していますので、ぜひチェックしてみてください!
10kW以上の太陽光パネルの場合、終了するのは20年後

10kW以上の太陽光発電設備の場合、一般的には「産業用」と呼ばれ、野立ての太陽光発電設備などがこれに当てはまります。規模が大きいので、事業用の設備がほとんどです。2024年度の価格は規模が10kW以上50kW未満が「10円/kWh」、50kW以上が「9.2円/kWh」となっていて、住宅用と比べると買取価格は下がります。
ただし、産業用のFIT期間は20年間なので、長期に渡って安定的に売電できるのがメリットです。FIT制度がスタートしたのが2012年なので、スタート当初に申請した設備でもFIT制度での買取が終わるのは2032年となります。
買取期間終了後はどうすればいいの?
FIT制度が終了すると「卒FIT」と呼ばれ、契約していた電力会社への売電を継続することができますが、買取価格が7円~9円/kWh(2024年6月現在、当社調べ)まで下がってしまいます。卒FITのお客様向けに、新電力などの電力会社がより高い買取価格を提供しているので、そうした電力会社の買取プランに切り替えるとよりおトクに売電ができます。ただし、多くの場合はFIT期間の時と比べると買取価格は低くなります。
そこでおすすめなのが、「市場連動型」の卒FITプランです。ほとんどの卒FITプランは、「固定買取型」と呼ばれていて、「1kWhあたり●●円」といった固定価格で買い取ります。大体の場合は10円前後です。「市場連動型」の場合、卸電力市場JEPXの取引価格に連動して買取価格を決めます。JEPXの価格から、手数料を差し引いた金額をお客様に支払うという仕組みです。市場連動型のメリットは、買取額が高くなりやすい点にあります。
以下の表では、「固定買取型」と「市場連動型」の買取価格を比較しています。ご覧のとおり、市場連動型の方が買取価格が高くなっています。もちろん市場価格は上がったり下がったりするので、一定のリスクはありますが、長期運用を考えた場合、市場連動型は平均的に買取価格が高くなると想定されます。

市場連動型の卒FITプランはあまり多くはありませんが、「エネまかせ」では市場連動型プランがあります。気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!